【町田市】障害をもつお子様の財産管理の悩みを家族信託で解決
Q:障害を持ってお子様の将来を心配した町田市Dさんからのご相談例
妻を早くに亡くしてしまいましたが、成人している子供がふたりいます。
兄は結婚したあと海外に赴任しそちらで新しく世帯を持っているのですが、妹のほうは子供のころに事故に合ってしまい、記憶の部分に少し障害が残ってしまったため仕事につくことが難しく、生活面や収入面で一人で生活するのは困難なため、現在もわたしと一緒に暮らしています。
しかし、わたし自身も高齢になってきて、ひとりで娘の世話を行っていくのに体力的な面などで不便を感じることが多くなってきて、ふとこれからのことを考える時間も増えてきました。
わたしがいなくなったあと、この娘はどうやって生活していけば良いのかなど、将来を思うと心配なことが多いため、いざというときのために遺言書か何かを作成しておこうと考えています。
現在娘は障害年金をもらっていますが、それだけで生活していくのには心配があるので、もしものときは今住んでいる自宅を売却したり貯金などの遺産を娘の生活費に当てたいと思っていますが、管理を任せるのは難しいでしょう。
自分が亡くなったときや入院してしまった場合は、自宅で娘一人では生活していけないので有料施設などに転居することになるでしょう。
その際は自宅の売却などの手続きが必要となるはずですが、娘にそのような手続きを行うことは大きな負担になるはずです。
息子夫婦に相談したところ、遠方に生活拠点を置いているため、何かあったときに実家に住んで妹の世話や面倒をみることはできないが、資産管理を代理するなどできることは協力してくれると言ってくれました。
元気なうちにできる限りの準備をしておきたいのですが、どのように手続きすれば良いのかわかりません。
A:家族信託を使って障害をもったお子様の財産を管理しましょう
ご遺言での手続きを検討されているとのことでしたが、遺言は亡くなったあとのことを決めておくためのものなので、万が一、Dさんが入院された場合や認知能力が衰えた時のことを取り決めできるものではありません。
ですからDさんには、家族信託を活用することをおすすめします。
Dさんのご自宅の権利や現金の大半の名義を息子さんに信託し、その資産(受益権)は①Dさん次に②娘さんという順に生活に利用する権利を持つように家族信託で設定します。
現金や不動産を息子さんに託して、万が一Dさんが認知症などで判断能力に問題が生じても、入院費用や娘さんの生活維持費用などを捻出するために、息子さんが託された現金を利用したり自宅売却の手続きを行うことができるように契約しておくことで、マイホーム譲渡所得の3,000万円の特別控除が利用できるようになります。
また、現金や不動産を託したとしても贈与税がかからないことも大きなメリットのひとつでしょう。
もし息子さんの奥様も了承していただけるようなら、娘さんより先に息子さんが亡くなってしまった時に備えて、息子さんの次に息子さんの奥様を受託者として契約することもできます。
Dさんや娘さんが亡くなった時点で家族信託の契約は終了する様に設定することができるので、その場合、残った信託財産を使用する権利【受益権】を息子さんにしておくことも可能です。
きちんと残余財産は息子さんに帰属するように契約しておき、もし息子さんが亡くなってしまった場合はその奥様やお子さんが代わりに受け取れるように契約をしておくと良いと思います。
Dさんが元気でしっかりしているうちに、娘さんの将来や生活を考え、息子さんに託す思いなどを話し合っておくことはとても大切なことです。
将来への備えだけではなく、税金対策にもとても効果的なのが家族信託です。
遺言では補え切れない部分も考慮して より良い対策を検討していただければと思います。