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【町田市】親の生活費と実家の管理を家族信託で解決

Q:離れた実家に一人で暮らしている母を心配する、(町田市)Fさんからのご相談例

母は町田市にある実家で一人暮らしをしています。父を早くに亡くしたのですが、遺してくれた自宅があったので、母ひとり子一人でなんとか支えあって生活してきました。

このたび、わたしの結婚が決まったので、夜勤の多い仕事の関係もあって茅ヶ崎に新居を構える予定でいます。
高齢になった母を一人にするのも心配ですし、自宅の老朽化も心配なので一緒に住むことを提案したのですが、父の遺してくれた家で思い出もあるので出たくないと言っています。
身体が元気でまだ仕事もしている母なので、子育ても終わったことだし、これからひとりで自分の生活を楽しみたいという気持ちもあるようなので、母の意思を尊重するつもりです。

同じ県内ですし、わたしも休みのときなどは時々実家に様子を見に顔を出すつもりでいますが、これから先、わたしに子供が生まれたりして環境がかわったり、母の体が衰えてくることにより判断が鈍くなってくるかもしれないのが心配です。

自宅があること、多少の蓄えはあるから大丈夫だと母は言いますが、急な症状の悪化はどうすることもできないので、不便がないようにある程度の資産管理を任せたいそうです。
自分の生活に必要なお金は手元に残しておきたいが、介護費用などで必要と思われる老後用資金を貯めていますが、なにかの詐欺にひっかかってしまう気がするそうです。

母の実家の管理や安定した生活費の管理など、娘のわたしでできるのはどのようなことでしょうか。

A:家族信託を活用して実家の管理と資産管理をこどもに委託しましょう

結婚し親元を離れることによって、お母様をご実家にひとりにしてしまうとのこと。
それがお母様のご希望とはいえ、Fさんが心配されるお気持ちはよくわかります。

亡くなったお父様の遺してくれた大切な家に住み続けたいというお母様のお考えももっともだと思います。
何年か時間が過ぎれば、また考え方もかわって同居することになるかもしれませんが、お母様がご高齢ということもあって、思いもよらない事故が起こらないとは限りません。

もしお母様が認知症を発症された場合、お母様名義の資産は凍結されてしまうので、施設への入所費用や手続きや生活費などを娘のFさんが管理することになりますが、お母様名義の資産をFさんが自由に取り扱うことはすぐにはできません。

Fさんの負担にならないように、事前に管理をFさんに委託するには『家族信託』を活用するのが良いと思います。
まず、お母様の住んでいらっしゃるご実家の土地と家屋の名義、またとりあえずの生活に必要な分を除いた預金の大半を、家族信託を使って娘のFさんの名義に変更します。

この契約によって、Fさんは自分名義になった実家の土地や家屋の売却や預金を管理することができます。

そして、ご実家の土地や家屋の売却費用や預金を利用する権利はお母様のものとします。

専門的な言葉を使うと、お母様を委託者、Fさんが受託者とする家族信託契約を結びます。
そしてその収益を受ける受益者をお母様とする旨を家族信託契約に含めます。

お母様がもし認知機能の低下があると診断され残っている資産が凍結されたとしても、預金の大半をFさんの名義に変えてあるので、お母様の生活費や通院や入院にかかる医療費や、介護費用や施設入所費用をその口座から引き落として使用することができます。

信託契約によってお母様の不動産資産や預金の大半をFさんの名義に変えても、使用目的が信託契約で決められたお母様のために使われる内容であるなら贈与税がかかることはありません。

ご実家にかかる経費についてですが、名義がFさんになっているので固定資産税はFさんに請求がきますが、信託された預金から維持管理費用を支払うことができるので、Fさんの負担になることはなく、お母様も安心できると思います。

自宅売却の時期についても、お母様と相談して決めておくことは大切です。例えば亡くなるまでは置いておいてほしい、施設入居費用や介護費用が預金で足りなくなったら売却して必要な費用に充填してほしいなど、希望を契約にしておくことで余計なトラブルを回避することができます。

ひとりで暮らすお母様が必要な金額は手元に残し、管理が心配な高額な預金は娘さんに管理してもらい、いざというときに使ってもらえるようにし介護などの負担を軽減することにもなるのでお母様も娘さんも双方が安心できる内容です。

認知機能の低下が始まる前に、お母様がお元気なうちに契約しておくことをおすすめします。

最後になりましたが、Fさん ご結婚おめでとうございます。
人は誰かを守りたいと思った時に、どんな困難も乗り越えることができるそうです。
お母様を、ご主人を、互いがいつまでも「守りたい人」でありますように。
末永く幸せなご家庭を築かれることを心からお祈り申し上げます。

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