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【相模原市】公平に子供たちに相続させたいという願いを家族信託で解決

Q:資産共有による家族トラブルを避けたい(相模原市)Yさんからのご相談例

先日、長年連れ添ってきた妻が亡くなりました。
ある時、最近妻の物忘れが増えたなと気付いてすぐに認知症と診断されて、それからあっという間に症状が進んでしまい施設に入ってすぐに体調を崩し、持病もあったのでそのまま亡くなってしまいました。

年長のわたしが先に去ることになるだろうし、わたしが亡くなったあとは好きにしていいよと資産の運用は妻に任せるつもりでいたのですが、これを機に子供たちへの相続について考えることにしました。

わたしは現在、年金と相模原に20年ほど前に建てたマンションの収入で生活しています。
近くに息子が住んでおり、以前から不動産の管理などを手伝ってくれています。
この長男のほかに、娘がふたりいるのですが、ふたりとも嫁いで町田市に住んでいます。
わたしにはこのマンション収入以外これといった資産を所有していないので、子供たち3人で仲良く相続してもらいたいと考えています。

そこで、心配なことが3点あります。

まずひとつめが、収入についてです。
生前贈与がどういうものかあまりわかっていないのですが、わたしが生きているうちにマンションを子供たちに譲ってしまえば簡単な話なのかもしれません。
しかし、わたしの主な財源はマンションからの収入なので、譲ってしまうとこれからの生活などが心配になってしまいます。
もう85歳なので体調も不安ですし、病気になってしまったときの通院費や入院費などがかかることを思うと、早くに譲ってしまうことで逆に子供たちの負担を増やしてしまうのではないかと悩んでいます。

ふたつめは、わたしが認知症になってしまった場合、どうなるのかわからないことです。
妻が認知症と診断されて施設に入所する際、妻名義の口座が凍結されてしまっていたため、すぐに現金を動かすことができずに困りました。
もし、わたしが認知症になってしまい、わたしのように子供たちが困ることになるのではないかと心配です。
このような場合、マンションの管理などはどうなるのでしょうか。

みっつめは、マンションの築年数です。
まだ修繕などで済んでいるのですが、これから老朽化が進むにつれ、大規模な改修や建て直しが必要になるかもしれません。
兄妹3人で相続した場合、共有名義人の総意がないと不動産を管理できなかったような覚えがあります。
考えが合わなかったりして兄妹間で揉めるようなことになるのも嫌なので、管理体制などもなにか対策できればと思います。
遺言でその旨を残せば良いのか、など、いろいろと教えて頂けると幸いです。

A:家族信託による兄妹で平等に相続できるように対策

遺産を託そうと考えていたお相手が先に亡くなってしまうことは、とても悲しいことです。
ご自身が亡くなったあと、お子さま3人に平等に財産を相続させたいというご希望を叶えるために必要なことをいくつか解説していきます。

ほかに財産がないケースでは、マンションを共有にすることで、お子さまたちが平等に相続できる方法であることは間違いないです。
3人にマンションを相続するようにYさんが遺言を残した場合、所有権は兄妹3人で共有することになります。
こうなるとご心配されているように、マンションを処分したり改築したりするには共有者の意見の一致が必要となります。
現在は兄妹関係が円満だとしても、その関係が将来も継続する保証はないため、マンション管理の今後に不安が残ります。

ですから、今回は遺言ではなく、『家族信託』を活用することで、所有権を共有にするのではなく、利益だけを共有できるようにして、遺言で相続したときと同じように平等相続を検討してみてはいかがでしょうか。

管理は今まで通り長男さんが行い、家賃などの収益は兄妹3人で分配するようにすることで、共有不動産の不良資産化を防ぐことができるのです。

まず、Yさんと長男さんとの間で信託契約を結びます。
財産を委託するのがYさん、管理などを引き受ける受託者を長男さんとします。
この契約で、ご心配されていたように、もしYさんが認知症になって判断能力に問題があるとされても、管理する権利は長男さんに移行しているので、今まで通りYさんのかわりに長男さんがマンションの管理を続けることができます。

次に受益者を決めます。受益者とは信託財産から得た利益を受け取るひとのことです。
収入がなくなる心配をなくすため、まず第一の受益権はYさん、そして第二受益権をお子様3人とします。
第一の受益権とすることで、Yさんは存命の間、マンションの収入を受けることができます。例え認知症になったとしても、マンションを管理する長男さんがYさんのために収益を通院費や施設費などに活用することができるので、子供たちに金銭面で負担をかける心配もありません。
Yさんが亡くなったあとは、お子様3人に受益権が移るので、実質的に共同所有しているのと同じように収入を得ることができます。これで、お子さま3人に平等に財産を相続させたいというご希望を叶えることになります。

マンションの老朽化についてですが、管理を任せるとして受託者を長男さんに指定する際、長男さんの判断で大規模修繕や建て替え、また売却などができる旨も設定しておくことで、
将来なんらかの対策が必要となったときに長男さんが独自の判断で決定できるようになります。
娘さんたちは収益を得ることはできますが、管理方針は長男さんにお任せするかたちを整えることで、スムーズに対策をとることができ兄妹間の意見不一致などのトラブルを防ぐことができます。

家族信託を活用することによって、Yさんの3つの心配を解決した相続のかたちを描くことができます。

Y是非Yさんがお元気なあいだに長男さんや娘さんたちと話し合って、ご家族が納得できる相続を検討してみてください。

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