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【相模原市】こどもがいない夫婦が悩む相続問題を家族信託で解決

Q:夫の次は自分の甥に相続させたい(相模原市)Bさんからのご相談例

うちには子どもがいません。今は夫と二人で相模原にある自宅で暮らししています。
わたしが祖母から受け継いだ土地が町田にあって、その土地を借地として人に貸しているので、毎月入ってくる賃料で生活しています。

夫もわたしも年金がもらえる年齢になったので、これを機に相続について考えることにしました。
はじめに言ったとおり、わたしは子どもに恵まれなかったので、もし、わたしが先に亡くなってしまったとしたら、土地は夫に相続してほしいと考えています。
しかし、土地を相続した夫が亡くなってしまったあとのことを考えて、悩んでいます。

夫には弟がひとりいるのですが、ご両親が亡くなった時に揉めてしまい、それから疎遠になっています。
金銭面にルーズな性格をされているようで、多額の借金があったのをご両親が預貯金から代わりに返済したことがあり、相続のときにもひと悶着あったようです。

そのような経緯があったため、大好きだった祖母から譲り受けた大事な土地を夫の弟一家に譲ることに抵抗があります。
わたしにも妹がいたのですが、妹は何年か前に亡くなっているので、その息子の甥に譲れたらと思っています。
妹が亡くなったときも、ずっと妹の看病でそばに付き添ってくれた心優しい甥なので、きっと祖母の土地も大切にしてくれるでしょう。

夫は遺産を弟一家に渡すつもりはないから、もし夫が亡くなった場合は甥に残す旨の遺言を作成するつもりだと言っていますが、わたしが亡くなったあとの話なので、いつどうなるかわからないため不安があります。

わたしが土地を夫に遺す遺言を作成するときに、そのあとを甥に託したいと記しておけば大丈夫でしょうか。

祖母から受け継いだ大事な土地を、夫の親族に譲ることは防ぎたいです。
どのような方法がありますか?

A:家族信託による信頼できる家族に託して財産流出を防ぐ

子どものいないご夫婦の間では、お互いを相続人として遺言を作成することが多いです。
しかし、今回のような場合は、遺言では解決することがなかなか難しいです。

まず、Bさんが遺す遺言は「わたしが亡くなったあとは、土地を夫に遺します」というものになります。
遺言は自分が亡くなったあと、誰に譲りたいかを指示するものなので、「夫が亡くなったあとは甥に相続してほしい」とその次を指定することができません。
夫も「自分が亡くなったあとは、妻のBさんに譲る」と遺言を遺していたとしても、土地を相続したときにはBさんが亡くなったあとなので、この遺言は無効となってしまい、夫の資産は弟一家が相続することになります。

夫さんが、自分が亡くなった後に遺産を甥さんに譲りたい場合は、新たに「自分が亡くなった時は、土地を甥に譲る」という遺言を別に作成する必要があります。
遺言でBさんの土地を夫→甥に相続させるなら、この手順になるのですが、遺言というのは書き換えることも書き忘れることもあるので、確実に希望通りの相続ができるというものではありません。
Bさんの土地を夫の弟さんが相続することを防ぎ、無事に甥に遺すためには遺言ではなく家族信託を活用するのが良いでしょう。

家族信託とは、信託銀行を通さず個人間でする信託で、信託といいますが、投資信託のようなものではありません。
自分が財産を管理できなくなったときに備えて、信頼できる家族や親族に、自分の財産を守ってもらう契約です。
この契約を結ぶことによって、もし自分が病気になっても、亡くなったとしても、自分の大切なひとを守ることができるのです。

家族信託では、次の役割を決めます。

  • 資産を託したい人・・・委託者
  • 資産を託される人、管理していく人・・・受託者
  • 資産を託されることで利益を受ける人・・・受益者

この受益者は、遺言とは違い、何世代も先のことも指定できるので、自分が亡くなったら夫へ、夫がなくなったら甥へと指定することができる、そんな契約もできるのです。

作成については家族信託の専門家に相談して、実現したい想いを伝えて契約書を作ってもらい、それを公正証書にしてもらいましょう。

それでは、どのような内容の契約書を作成すれば良いか、確認しましょう。

今回ポイントとなるのは、Bさんが所有する土地の賃料を

  • Bさん→夫→甥

という順番に受け取れるようにすることでしょう。

ここでおすすめしたいのは、受託者を夫ではなく甥にすることです。
名義がBさんのままだと、Bさんが亡くなったとき、相続の手続きが必要となります。受託者を夫にした場合でも、夫が亡くなったときに同じように相続の手続きが必要です。
受託者を甥に設定し、土地の名義を甥に移しておけば、Bさんや夫が亡くなっても相続手続きは必要なくなります。
登記簿には信託で名義が移った記録がのこります。
委託者はBさんです。
第一受益者をBさん、第二受益者を夫としておき、夫が亡くなった時点で信託契約を終わるようにします。
信託契約に設定しておくことで、Bさんがお元気なうちは今までとおりBさんが賃料を受け取り、Bさんが亡くなったときは代わりに夫が受け取れるようになります。
夫が亡くなったら信託契約は終了するので、その土地は名義人の甥が受け継ぐことができ、夫の弟一家に渡ることはありません。

家族信託は信頼できる家族を選んで託すことができるものです。
思い出のある大好きなご先祖より受け継いだ土地を、大事な家族に受け継いでもらえるように家族信託を活用してください。

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