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【相模原市】相続で土地の分散を避けたい悩みを家族信託で解決

Q:資産の分散を避けたい(相模原市)Aさんからのご相談例

先祖代々受け継いできた土地をどう相続していくかと悩んでいます。
わたしの家は、古くから続く家系で相模原の一角に土地を所有しています。
代々相続していくうちに、所有している土地は減っていき、わたしの実家を囲むようにあった親族の家もほとんど残っておらず、実家一帯の土地だけは後世に受け継いでいきたいと願っています。

わたしが所有しているのは、実家のある区画と不動産資産として運営しているマンションが一棟あります。

何年か前に妻を先に亡くしましたが、子どもは息子と娘と一人ずついます。
息子は実家の敷地に離れを建て、そこで嫁子と住んでいますが、わたしの仕事の手伝いもしてもらっていることもあって、ほぼ一緒に住んでいるような感じです。
娘は、他県に勤めに出て、そのまま結婚して家を出ており、遠方なこともあって季節の挨拶を交わす程度で顔を合わすことがほとんどありません。

年を取るにつれて物忘れも増え、息子のフォローがないと仕事も難しく感じることが増えたため、そろそろ息子に跡を譲ろうと考え、相続について考えるようになりました。

うちの土地は代々受け継がれてきたものなので、できればこのまま子々孫々残していきたいと思っています。

わたしの資産といえるのは、土地とマンションの収益で、老後のためにとわずかながら貯蓄はあります。
子どもたちとわたしの状況から、息子に土地を与えるのが良いと思っていますが、そうなると貯蓄分だけでは娘に遺留分として渡せるほどの金額には足りないでしょう。
足りない場合、息子が自分の貯蓄を持ち出すことになると思いますが、それで足りなければ土地を少し売却することになるかもしれません。

息子や娘とも相談したところ、息子はわたしの思うようにすれば良いと言ってくれました。娘のほうからは遠方に嫁いだため手伝いなどは難しいけれど、兄だけ優遇されているようでそれを不満に感じることもあるようです。

離れて暮らしていても、同じ子どもなので娘にいくばくかの資産を遺してあげたいのですが、土地を減らすようなことは避けたいですし、マンション経営もこれまで手伝ってくれた息子に管理してもらうのが良いと思うので悩んでいます。

兄妹の不和を招くようなことにならないように、娘も納得できるような相続の方法はないでしょうか。

A:家族信託による土地の名義分散を回避

先祖代々続いてきた土地を守ることは、一族の資産を守ることでもあります。
土地を維持し続けることは税金対策や相続問題もある現代社会においてはなかなか難しいです。

Aさんのように相続人が複数いる場合、土地をそれぞれ分けて相続したり、他の相続人に対して遺留分を支払うことで相続するひとを絞る方法が多いですが、そうなるとやはり土地の分散のリスクが高くなるのでAさんのご希望から考えるとおすすめできません。

共有名義で相続する方法もありますが、管理するときに名義人全員の総意が必要となるため、売却手続きを行いたいときや不動産の大規模修繕などを行うときにトラブルが起きることが多いため、兄妹の不和を招きたくないと考えていらっしゃるのなら違う方法が良いでしょう。

息子さんが土地とマンションを相続した場合、娘さんに支払う遺留分が問題となりますが、そこをマンションの収益から遺留分として一定金額を付与するというのはいかがでしょうか。

Aさんの物忘れが多くなったということですが、これから先、認知症などの心配も出てきます。
認知症の発症率はとても高く、いつどのタイミングで発症するかわかりません。
認知症となり認定能力の低下が認められると、資産は凍結され不動産の管理や売買などもできなくなります。
所有者が健康な間に事業を継承することで、資産を効率的に活用することができます。
マンションの収益を息子さんに管理してもらい、収益の中から遺留分相応額を娘さんが受け取れるように指定するには『家族信託』がおすすめです。

家族信託とは、自分の老後や介護が必要となったときに備えて、自身が保有する不動産や預貯金などの資産を信頼できる家族や親族に託して、その管理や処分などを任せることができる制度です。
それだけではなく、遺言以上に幅広い遺産の継承が可能であるという特徴もあります。

まず、信託財産はマンションと実家のある土地家屋とし、
信託を依頼する委託者をAさんとします。
財産の管理をお願いする相手として、受託者を息子さんにします。
マンションから得る収益は、元気な間はAさんが受け取れるように受益者として設定し、Aさんの死後は遺留分相応額の金額を娘さんが受け取れるように指定しましょう。

息子さんは収益からマンションの管理を行いつつ、一部を娘さんが受け取れるようにします。
もし、Aさんが認知症などで資産が凍結されたとしても、マンションや土地家屋は息子さんに信託しているので、息子さんの判断で運営管理することができます。
Aさんが施設に入所することになった場合の資金としてマンションの収益を利用したいなど、資産の運用方法を希望することもできるので、好みに応じた相続のかたちを整えることもできます。

家族信託は、自分の大切な財産を自分の希望通りに管理したり継承させることができる制度です。
一度、自分だけではなく家族の将来のために、ご自身が望む財産管理や財産継承はどのようなものなのかを考えてみてはいかがでしょうか。

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